こんにちは。
元検察事務官の検察辞太郎（やめたろう）(@moto_jimukan)です。
本記事では国家公務員の休日給について詳しく紹介していきます。
国家公務員は休日出勤する場合もありますので、現職の方はもちろん、内定者や受験生の方も参考にしてもらえればと思います。
本記事の内容は令和６年４月１日時点のものとなります。
休日給の概要について
休日給とは祝日法による休日等の正規の勤務時間中に勤務した職員に支給される手当になりますが、手当の概要として下記項目を見ていきます。
休日給の支給要件
国家公務員の職務専念義務が免除されている日を「休日」といいますが、休日の正規の勤務時間中の勤務に対して休日給が支給されます。
週休日：日曜日及び土曜日
休 日：①祝日法による休日
②年末年始の休日
→12月29日～１月３日
※祝日法による休日を除く
なお、休日勤務に対しては代休日の指定を行うことが一般的となりますが、代休日の指定を行った休日出勤は休日給の支給対象外となります。
ちなみに、代休日の再代休はできませんので、再代休日の勤務は休日給の支給対象となります。
なお、国家公務員の最高幹部である指定職や俸給の特別調整額の支給対象となる管理監督職員は休日給の支給対象外となります。
休日給の支給額
次に、休日給の支給額についてですが、以下の計算式で算定されます。
勤務１時間当たりの給与額×135/100×勤務時間数
では、算定の基礎となる下記項目について見ていきます。
なお、休日給の算定で端数が生じる場合がありますが、50銭未満は切り捨て、50銭以上は切り上げる端数処理を行うこととなります。
勤務１時間当たりの給与額
まず、勤務１時間当たりの給与額ですが、以下の計算式で算定されます。
(俸給の月額(※1)＋地域手当等の月額)×12／１週間当たりの勤務時間(※2)×52
※1：俸給月額＋俸給の調整額
※2：通常38時間45分
なお、俸給の月額には俸給の調整額、地域手当等には広域異動手当と研究員調整手当が含まれます。
支給割合
次に、支給割合ですが、超過勤務手当と異なり、休日給は135％と支給割合が固定されています。
週休日・休日に支給される超過勤務手当の支給割合も休日給と同じ135％。
勤務時間数
最後に、勤務時間数ですが、一の給与期間（月単位）の全時間数によって計算します。
なお、集計した勤務時間数に１時間未満の端数がある場合は30分未満は切り捨て、30分以上は１時間に切り上げます。
休日給の関係法規
最後に、休日給の関係法規についてですが、根拠条文を確認されたい方は是非参考にしてください。
- 一般職の給与に関する法律
17条、18条の２、19条、19条の８、19条の９ - 一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律
14条、15条 - 国民の祝日に関する法律
- 人事院規則９―43（休日給）
- 人事院規則９－７（俸給等の支給）
11条、12条、13条 - 人事院規則15－14（職員の勤務時間、休日及び休暇）
17条
- 一般職の職員の給与に関する法律の運用方針（給実甲第28号）
16条、17条、18条、19条、19条の９関係 - 人事院規則９―７（俸給等の支給）の運用について（給実甲第65号）
13条関係 - 人事院規則９－43（休日給）第１条ただし書の休日給の支給される日について（給実甲第922号）
- 職員の勤務時間、休日及び休暇の運用について（平成６職職ー328）
第11
では、次に、休日給と諸手当の関係について見ていきたいと思います。
休日給と諸手当の関係について
休日給と諸手当との関係についてですが、下記手当との関係で整理していきます。
超過勤務手当との関係
休日給の支給対象となる勤務日に超過勤務手当の対象勤務を行う場合もありますが、支給関係で疑義が生じるかと思います。
その場合、休日に割り振られた勤務時間に対しては休日給、割り振られた勤務時間を超える勤務に対しては超過勤務手当が併給されることになります。
なお、週休日と休日が重なった場合は週休日として扱いますので、休日給ではなく超過勤務手当が支給対象となります。
祝日法による休日が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い祝日でない日が休日となる。
【例】日曜日が休日、月曜日が平日
→月曜日が休日になる。
夜勤手当との関係
休日の深夜に正規の勤務時間を割り振られる場合はありますが、その場合、夜勤手当と休日給の両方の支給要件を満たします。
深夜に正規の勤務時間を割り振る勤務形態を交代制勤務等という。
→刑務官、航空管制官、税関職員など
そのため、休日の深夜勤務に対しては夜勤手当と休日給の両方が併給されることになります。
宿日直手当との関係
宿日直勤務は休日に行う場合もありますので、休日給と宿日直手当の両方の支給要件を満たすようにも思われます。
しかし、休日給は休日に割り振られる通常勤務であるのに対し、宿日直手当は正規の勤務時間以外の当直等の勤務になります。
宿日直勤務とは本来業務になじまない勤務密度の薄い勤務。
そのため、宿日直勤務を休日に行ったとしても宿日直手当のみの支給となります。
管理職員特別勤務手当との関係
休日給の支給対象外である管理監督職員等も休日に勤務を行わなければならない場合がありますが、その場合管理職員特別勤務手当が支給されます。
- 週休日等の勤務
→臨時又は緊急の必要その他の公務の運営の必要による勤務 - ①以外の日の深夜（午前０時～５時）勤務
→災害への対処その他の臨時又は緊急の必要による勤務
なお、明白な臨時の又は緊急性を有する業務のための勤務の場合のみが支給対象となりますので、超過勤務手当より対象勤務は狭くなります。
おわりに
今回は国家公務員の休日給について紹介してきました。
給与制度は国家公務員として理解しておくべき制度になりますので、理解した上でライフプランニング等に活用してもらえたらと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
