検察事務官の仕事

立会事務官の仕事について【事務処理編】

こんにちは。元検察事務官の検察辞太郎(やめたろう)(@moto_jimukan)です。

今回は,立会事務官の仕事のうち,事務処理の仕事を紹介します。

立会「事務」官というくらいなので,事務処理は非常に重要な仕事になります。

ちなみに,私は部制庁勤務でしたので,捜査部門における事務処理を紹介しますが,事務処理には,主に,事件配点時と事件処理時の二つがあります。

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事件配点時

事件は,警察から送致された後,事件担当で受理し,捜査部門の事件管理の配点担当に回り,部長や副部長がその事件を誰に担当させるか決め,各検察官に配点されます。

検察官に配点された後,立会事務官がやらなければならない仕事はたくさんあります。

公訴時効満了日の確認

配点担当から記録を受け取ったら,まず公訴時効満了日がいつなのかを確認します。

公訴時効の期間は罪名によって異なるため,罪名の法定刑を確認し,公訴時効満了日を算出します。

注意点として,送致された罪名よりも軽い罪で起訴される可能性があるものは,軽い罪の公訴時効満了日も確認する必要があります。

例えば,傷害罪で送致された事件を暴行罪で起訴する場合などです。

公訴時効満了日を過ぎてしまうと,もう起訴できなくなってしまうため,この確認は大事になります。

前科照会

前科照会の回答である前科調書は,通常,事件記録に編綴されています。

しかし,事件を起訴する際,前科調書の回答日が起訴日より1カ月以内のものでないとならないため,私は,事件の配点を受けた際,前もって前科照会をしていました。

一般の前科照会は,所属している犯歴採証担当に前科照会書を持参して回答してもらいます。

また,交通事件を起訴する場合は,一般前科の他に,道路交通法の前科(道交前科)と行政処分歴も必要になります。

道交前科の照会は,被疑者の本籍地に照会をしなければならないため,前科照会書のデータをメールで送ります。

行政処分歴の照会は,警察署に文書で照会することになります。

ちなみに,行政処分とは,交通違反で切符を切られた際に何点とか付けられるあの処分のことをいいます。

罰金未納者の通報

前科調書に,罰金前科があり,罰金が未納になっている場合は,その検察庁の徴収担当に連絡する必要があります。

保護観察者等の再犯通知

前科調書で,被疑者が仮釈放中の者や保護観察付刑執行猶予期間中の者であることが分かった場合は,「仮釈放者再犯通知書」や「保護観察者再犯通知書」を作成します。

これらの再犯通知書は被疑者の住居地を所管する保護観察所長あてに通知しますが,この通知は執行担当が行うので,通知書を執行担当に持っていく必要があります。

とん刑者等の通報

前科調書の「逃亡者等の欄」に記載があった場合は,その登録を行った検察庁の担当事務官に連絡を行います。

前科調書の補正

たまに前科調書の氏名等が戸籍謄本と相違している場合があるため,発見したときは,戸籍謄本の写し等の疎明資料を添付して,犯歴採証担当に補正の依頼をします。

前科記録と判決謄本取寄せ

被疑者に前科がある場合は,起訴時にその前科の判決謄本が必要になるため,配点時に判決謄本を取寄せておきます。

判決謄本の照会先は,その前科の事件記録を保管している検察庁の記録担当になります。

また,前科の事件記録がまだ廃棄されていない場合は,今回の事件捜査をするうえで参考になるため,判決謄本と合わせて事件記録も取寄せておきます。

ちなみに,保管期間はその事件の判決によって変わってきますが,検察システムで検索すれば,廃棄済みかどうか確認でき,また,貸出中かどうかも確認できます。

不起訴記録の取寄せ

事件が不起訴になると前科調書にはその事件が記載されませんが,警察で作成する前歴調書には,被疑者の前歴がすべて記載されています。

不起訴となった事件があり,かつ,不起訴記録がまだ廃棄されていない場合は,事件捜査の参考になるため,不起訴記録を保管している記録担当から取り寄せます。

ちなみに,不起訴記録には,その事件を不起訴にした理由が記載されている不起訴裁定書が編綴されていますが,この不起訴裁定書の写しも,事件を起訴するときに必要となります。

身上調査照会

戸籍謄本も,警察署で事前に取寄せ,事件記録に編綴されていますが,起訴する際,戸籍謄本の作成日が起訴日より3カ月以内のものでないといけないため,在宅事件の配点を受けた際は,前もって照会をしていました。

前科調書と違い3カ月と期間が長いため,長くとも20日で起訴する身柄事件のときは,改めて身上調査照会はしていませんでした。

照会先は本籍地の市区町村役場になるため,郵送で照会します。

急ぎの場合は,電話で照会し,聴き取った内容を「電話聴取書」に記載して証拠としますが,市区町村によっては電話で回答してくれないため,余裕をもって照会する必要があります。

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事件処理時

事件の処理には,「公判請求」,「略式請求」,「不起訴」,「家裁送致」があります。

いずれの処理にしても,検察官が決裁官から決裁を受け,下見担当で点検し,事件担当で処理登録をする流れになります。

その流れの中で,立会事務官の事務処理を紹介します。

決裁準備

決裁印を押印してもらう書類の作成

処理方法によって作成する書類は違いますが,例えば,公判請求だと公判引継事項書,不起訴だと不起訴裁定書の表紙を作成する必要があります。

起訴状ひな形の出力

起訴する場合,起訴状は,検察システムに必要事項を入力することで,定型的な様式のワードデータが出力されます。

公訴事実については検察官が作成しますが,私は,叩き台として,公訴事実も記入していました。

公訴事実を書くのはなかなか難しいですが,公訴事実を書くことで勉強になりますし,検察官からの評価も高くなります

ちなみに,検察システムの起訴状検索でキーワードを入力して検索すれば,似たような事案が出てくるため,それを参考に公訴事実を作っていました。

求刑資料の出力

起訴する場合,検察官は求刑をどれくらいにするか決めて決裁に行きますが,検察官によっては,検索システムを使いこなせていないため,立会事務官に出力を依頼します。

求刑資料も検察システムの求刑検索で色々な条件を入力して検索すれば,似たような事案が出てくるため,どれくらいの求刑を求めていたか調べていました。

下見担当への事件記録回付

事件記録の体裁を整える

事件処理の種類によって,事件記録の整え方は異なりますが,ルールが決まっているため,そのルール通りに体裁を整えます。

また,起訴する場合は,裁判所に提出する起訴状のほかに,被告人用の起訴状謄本を作成したりもします。

ふせん貼り

下見担当は,起訴状や不起訴裁定書を点検する際,記載事項が証拠に基づいているかを点検しますが,点検しやすいように,立会事務官が証拠の部分にふせんを貼ります。

貼ったふせんには,記載事項,例えば,「日時」とか「犯行態様」などを記入し,どの証拠なのかを分かりやすくします。

このふせん貼りをしっかりするためには,事件記録をしっかり読み込んでおく必要があります。

ちなみに,このふせん貼りが全然ダメだったりすると,下見担当からの評価が下がり,そういった評価は検察庁全体の評価にも繋がってしまうため,気を付ける必要があります。

事件処理の通知文書作成

事件処理を行う事件に告訴・告発人がいる場合は,どのような事件処理をしたのか伝えなければならないため,通知文書を作成する必要があります。

また,被疑者が外国人で,起訴する場合は,入国管理局に通報する必要があるため,通知文書を作成する必要があります。

これらの他にも通知文書を作成しなければいけない場合がありますが,細かいところですので,このブログでは割愛します。

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おわりに

今回は,立会事務官の仕事のうち,事務処理の仕事を紹介しました。

事務処理の仕事は,ドラマでは描かれませんし,業務説明会でもあまり詳しく説明されない部分なので,検察事務官の仕事を知るうえでは,参考になる記事になったかなと思います。

次回は,皆さんが気になる検察事務官の給料についての記事を書く予定なので,楽しみにしてもらえればとおもいます。

今回も最後まで読んでいただき,ありがとうございました。

 

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