こんにちは。元検察事務官の検察辞太郎(やめたろう)(@moto_jimukan)です。
検察事務官になると様々な研修を受けることになりますが,今回は「中等科研修」について説明していきます。
入庁1年目が受講する初等科研修については下記記事をご覧ください。

対象者・開催月
中等科研修の目的は以下のようになります。
初等科研修を終了後ほぼ5年を経過した者若しくは国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)合格者で採用後ほぼ2年を経過した者を対象とし,検察事務官として必要な比較的高度の知識及び技能を習得させて,事務能力の向上を図るとともに捜査・公判の実務能力を育成し,かつ,人格識見の向上を図ることを目的とする。
中等科研修の対象者は,入庁3年目(大卒)と5年目(高卒)の検察事務官になります。
開催は高検単位になりますので,開催期間は高検により異なりますが,時期は秋から冬のいずれかで,期間は40日前後になります。
※東京高検管内だと人数が多いため,年度の前半・後半の2回に分けて開催
実施庁
実施庁は初等科研修と同様に高等検察庁になるため,高検管内の新規採用職員が同じ初等科研修に参加します。
初等科研修と違う点は,他官庁から聴講生が参加することです。
他官庁の聴講生とは,麻薬取締局・陸上自衛隊・海上保安庁などに所属する特別司法警察員や,国税局・金融庁・税関などに所属し,事件を告発する仕事をしている職員(国税局は査察部など)になります。
また,法務省内組織間人事交流によって出向してきている出向者も参加します。
法務省内組織間人事交流の詳細については下記記事で紹介しています。

私が参加した中等科研修には,聴講生が7・8人ほどいましたが,年齢は30代半ばから40代半ばと年上の方々でしたので,仕事経験も豊富で話を聞くのがとても楽しかったですね。
受講・宿泊施設
受講・研修場所は,基本的には初等科研修と同じになります。
宿泊施設での生活
宿泊施設での生活も,基本的には初等科研修同じになりますが,中等科研修では宿泊所への当直員がいなくなります。
そのため,消灯時間もないため,何時まででも談話室で飲み会ができます。
しかし,中等科研修では成績優秀者への特別昇級があり,初等科研修よりも勉強ガチ勢が増えるため,初等科研修の方が飲んでましたね。
日当
日当も初等科研修と同様に研修参加日数分の日当が貰えます。
私のときは約47,000円が12月下旬に貰えました。
※研修期間は11月初旬から12月下旬
研修内容
研修内容は,初等科研修で学んだ科目はより詳細に勉強し,さらに捜査・後半について学びます。
また,科捜研に見学に行ったり,警察官から司法解剖についての講義を受けたり,副検事相手に模擬取調べをやったりもしました。
中等科研修に参加する対象者は,立会事務官をやっている人が多いため,中等科研修で学ぶことは実務上,非常に勉強になるものでした。
テスト
テストも,初等科研修と同様に,各科目が終了すると,総仕上げとして行われます。
私の受けた中等科研修でのテスト科目以下になります。
- 憲法(50)
- 検察庁法(30)
- 国家公務員法・国家公務員倫理法(20)
- 民事法(100)
- 刑法総論(100)
- 刑法各論(100)
- 刑事訴訟法(100)
- 捜査実務(100)
- 公判実務(100)
- 事件・令状事務(50)
- 証拠品事務(50)
- 執行事務(50)
- 徴収事務(50)
- 記録・犯歴事務(40)
- 文書事務(30)
- 会計事務(30)
※赤字は配点
中等科研修では,テストの成績が1位の人には特別昇級があり,2号俸昇級します。
※人数が多い場合は2位も特昇があるようです。
2号俸だと数千円であるため金額的には大したことはないですが,入庁3年目や5年目に上がる2号俸は後々大きく影響してくるため,本気でこの特昇を狙ってくる人は多かったですね。
おわりに
今回は入庁3年目(大卒),5年目(高卒)が受講する中等科研修について説明しました。
検察事務官になると必ず参加する研修になるため,検察庁志望者の公務員受験生の参考になれば幸いです。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
中等科研修以外の研修制度については,下記記事でご確認いただけます。
