こんにちは。
元検察事務官の検察辞太郎(やめたろう)(@moto_jimukan)です。
本記事では国家公務員の管理職員特別勤務手当について詳しく紹介していきます。
国家公務員の管理職の時間外手当に当たりますので、現職の方はもちろん、内定者や受験生の方も参考にしてもらえればと思います。
本記事の内容は令和6年4月1日時点のものとなります。
管理職員特別勤務手当の概要について
管理職員特別勤務手当とは管理監督職員等が臨時又は緊急の必要等によりやむを得ず時間外勤務した場合に支給される手当になりますが、手当の概要として下記項目を見ていきます。
管理職員特別勤務手当の支給対象者
管理職員特別勤務手当の支給対象者ですが、俸給の特別調整額の支給対象者である管理監督職員の他、職務の級2級以上の専門スタッフ職職員や指定職職員が支給対象者となります。
なお、管理監督職員に該当する官職は人事院規則で組織別に規定されていますが、代表的な官職例は以下となります。
本府省 | 管区機関 | 府県単位機関 | その他地方支分部局 | |
一種 | 課長 | 機関の長 | ||
二種 | 室長 | 部長 | 機関の長 | |
三種 | 部長 | |||
四種 | 課長 | 課長 | 機関の長 | |
五種 | 課長 |
管理職員特別勤務手当の対象勤務
次に、管理職員特別勤務手当の対象勤務ですが、以下の勤務が支給対象となります。
- 週休日又は休日の勤務
→臨時又は緊急の必要その他の公務の運営の必要による勤務 - 週休日等以外の日の深夜(午前0時~5時※)の勤務
→災害への対処その他の臨時又は緊急の必要による勤務
※R7:午後22時~に変更
つまり、週休日等や平日深夜に処理することを要することが明白な臨時の又は緊急性を有する業務のための勤務の場合のみが支給対象となります。
- 各種資料の整理等
- 通常の勤務時間内に一般的に行われているデータの計測、管理等
- 所属機関以外の機関等が主催する諸行事等への儀礼的な参加、出席
- 所属機関が主催する諸行事等への担当者以外の立場での参加、出席
なお、管理監督職員は両方支給対象となりますが、専門スタッフ職職員と指定職職員は週休日等の勤務のみが支給対象※となります。
※令和7年度から平日深夜勤務も対象
管理監督職員 | 指定職職員 | |
俸給の特別調整額 | 〇 | ✕ |
管理職員特別勤務手当 (週休日等の勤務) |
〇 | 〇 |
管理職員特別勤務手当 (平日深夜の勤務) |
〇 | ✕ |
ちなみに、週休日等に勤務する場合の一般的な取り扱いは週休日の振替又は代休日の指定となりますが、その場合は管理職員特別勤務手当は不支給となります。
管理職員特別勤務手当の支給額
次に、管理職員特別勤務手当の支給額ですが、俸給の特別調整額の区分等に応じて人事院規則により定められています。
俸給の特別調整額の区分等に応じ
・週休日等の勤務:18,000円~6,000円
※6時間を超える勤務は5割増
・平日深夜の勤務: 6,000円~3,000円
俸給の特別調整額の区分等に応じた支給額をまとめると以下の通りとなります。
区分 | 週休日等の勤務 (6時間超) |
平日深夜の勤務 |
指定職 | 18,000円 (27,000円) |
支給対象外 |
一種 | 12,000円 (18,000円) |
6,000円 |
二種 | 10,000円 (15,000円) |
5,000円 |
三種 | 8,500円 (12,750円) |
4,300円 |
四種 | 7,000円 (10,500円) |
3,500円 |
五種 | 6,000円 ( 9,000円) |
3,000円 |
なお、同一週に同一勤務(週休日等・平日深夜)が2回以上ある場合は、連続した1回の勤務とみなされます。
管理職員特別勤務手当の関係法規
最後に、管理職員特別勤務手当の関係法規についてですが、根拠条文を確認されたい方は是非参考にしてください。
- 一般職の給与に関する法律
19条の3
- 人事院規則9-93(管理職員特別勤務手当)
- 人事院規則9-17(俸給の特別調整額)
別表第一、別表第二 - 人事院規則9-7(俸給等の支給)
11条、12条
おわりに
今回は国家公務員の管理職員特別勤務手当について紹介してきました。
給与制度は国家公務員として理解しておくべき制度になりますので、理解した上でライフプランニング等に活用してもらえたらと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。