こんにちは。元検察事務官の検察辞太郎(やめたろう)(@moto_jimukan)です。
今回は,社会人経験がある方の面接対策を紹介していきます。
ちなみに,私は,金融機関を1年で退職した後に公務員試験を受け,検察庁を含む複数の公務員試験に合格しましたし,社会人経験者採用試験で政令市にも合格しましたので,公務員試験の面接経験は人一倍ありますので,参考にしてください。
この面接対策は,検察庁を含む国家公務員以外にも,市役所の面接にも共通する話ですので,社会人経験のある方は是非最後まで読んでみてください。
社会人経験者は不利なのか
面接対策について説明する前に,社会人経験者が一番不安になっていることを解消したいと思います。
公務員試験では社会人経験者は全く不利ではありません。
むしろ,私の公務員試験受験経験からすると,以下の点から逆に有利かなと思っています。
- ライバルは大学生
→民間企業ほど新卒採用にこだわっていない
※社会人経験者採用試験は除く - 面接で聞かれる質問は決まっている
→面接対策を立てやすい
この二点を意識して面接対策をすることで,社会人経験のある方は内定が近づきます。
では,それぞれについて細かく見ていきたいと思います。
ライバルは大学生
民間企業の就活では新卒至上主義で,転職者は即戦力が求められるため,ある程度の経験とスキルが必須条件になります。
その点,公務員試験では新卒採用にこだわっていないため,社会人経験者も大学生も全く同じ土俵で戦うことになります。
ライバルである大学生より評価が上になるためには,以下の二点が重要になります。
- 民間から逃げた感を出さない
- 大人の余裕を出す
①はできていないとまず間違いなく落ちる条件で,②はできていると評価が上がる条件となりますが,それぞれ見ていきたいと思います。
民間から逃げた感を出さない
まず①ですが,この民間から逃げた感を出さないことは前提条件になります。
というのも,どんなに素晴らしい社会人経験がある人でも,悲壮感が出ている人とは,誰も一緒に働きたいと思わないですよね。
なので,実際とは違っても,あくまで前向きな退職(転職)であるという風にふるまう必要があります。
言葉でいくらいいことを話していても,態度が伴っていないと嘘だろってなってしまいますので,面接の場だけでも自信満々な雰囲気を醸し出してください。
前向きな退職(転職)理由の話し方は後述します。
では次に,②について説明します。
大人の余裕を出す
次に②ですが,この大人の余裕を出せるとライバルである大学生よりも評価が上になりやすいです。
ではどうやったら大人の余裕を出せるのか。それは面接の受け答え方法にあり,以下の点を意識することで大人の余裕を出すことができます。
面接は面接官とのコミュニケーションの場である
→会話を心がける
まず,ほとんどの大学生は面接官との会話ができていないです。
私も大学生の頃,民間の就活では,面接官との会話ができていなかったので,面接で落ちまくりましたね。
しかし,社会人経験を経た結果,公務員試験では面接で落とされるということはありませんでした。
では,なぜ社会人経験があるとできるようになるのかというと,仕事を通じ,大人との会話に慣れているからです。
これが社会人経験者が持つ最大の武器になりますので,公務員試験の面接の場で発揮してもらえればと思います。
では次に,面接で聞かれる質問について見ていきたいと思います。
面接で聞かれる質問は決まっている
社会人経験者の場合,面接で聞かれるメインの質問が以下のように決まってきます。
- 退職(転職)理由
- どのような仕事をしていたか
- 仕事から得た能力は
私の場合,これらの質問と志望動機だけで面接時間の大半を占めていました。
では,それぞれの質問について見ていきたいと思います。
退職(転職)理由
社会人経験者はまず退職(転職)理由を必ず聞かれます。
おそらく志望動機よりも先に聞かれることが多いと思います。
ではまず,私が民間企業を辞めた理由を実際にどのように話していたか見てみたいと思います。
大学卒業後,金融機関で働いていたが,お客の利益よりも自社の利益を追求する働き方に疑問を感じて退職。
他の民間企業でも大なり小なり同様の働き方をしなければいけないため,民間企業ではなく,国民全体の奉仕者として働くことができる公務員を志望。
私が民間企業を辞めた本当の理由は「ブラック過ぎる」の一点ですが,上記のように,「公務員への志望動機」につながるような退職理由にしました。
- 退職(転職)の本当の理由が後ろ向きなら,前向きな理由に変える。
- 退職(転職)理由を公務員への志望動機につながるものにする。
このように退職(転職)理由を述べることで,退職(転職)理由を志望動機の補強材料にすることができるため,お勧めします。
ちなみに,志望動機については以下の記事で紹介していますので,参考に是非見てください。

では次の質問を見たいと思います。
どのような仕事をしていたか
大学生の場合は,「学生の頃に頑張ったこと」,いわゆるガクチカを聞かれますが,社会人経験者には「どのような仕事をしていたか」を聞かれます。
仮に自己PRで学生時代の出来事を書いたとしても,前職の仕事は必ず聞かれます。
では,どのように回答すればよいのか。
まずは悪い例から見ていきたいと思います。
前職では○○という仕事をしていました。
確かに質問に対して回答していますが,採用担当者が知りたいのはそういうことではありません。
では,よい例を見たいと思います。
前職では○○という仕事をしていましたが,○○を心がけ,○○という成果を達成することができました。
採用担当職員が聞きたいことは,前職でどのように仕事をしていたかです。
この質問を通して,検察庁の仕事への適正を見ていますので,前職での仕事の仕方は検察庁の仕事に通じるものがいいですね。
また,成果についてですが,目に見える成果がない場合は,ここで「○○という能力を得ました」と言ってもいいと思います。
この質問に対する回答については,「ガクチカ」への回答方法と通じる部分がありますが,詳細は下記記事で確認いただけます。

では,最後の質問を見たいと思います。
仕事から得た能力は
この「仕事から得た能力」についても,大学生が聞かれる「頑張った経験から得た能力」の代わりに聞かれるものですね。
この質問でも,採用担当職員は検察庁の仕事への適性を見ていますので,検察庁の仕事に通じる能力が望ましいです。
社会人経験者の場合は,大学生と違い,実際に働いて培った能力になりますので,説得力を持って話せたら評価は上がると思います。
そのためには,前職での働き方も大事になりますので,合わせて説得力のある回答を作成してもらえたらと思います。
なお,検察事務官に求められる能力については,下記記事で紹介していますので,参考にしてもらえればと思います。

おわりに
今回は,社会人経験者の面接対策について紹介してきました。
私自身が社会人経験者だったこともあり,この記事に書かれていることを意識してもらえると面接対策は非常に立てやすいと思います。
また,大枠については検察庁などの国家公務員に限らず,市役所にも共通する事項になりますので,市役所志望の社会人経験のある方も参考にしてもらえればと思います。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。