検察事務官の仕事

検察事務官の仕事について【事件担当を徹底解説】

こんにちは。元検察事務官の検察辞太郎(やめたろう)(@moto_jimukan)です。

今回は,検察事務官の仕事の内,事件担当の仕事について紹介していきます。

検察庁における刑事手続きの一つになりますので,検察庁志望の公務員受験生の方は是非見てくださいね。

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事件事務とは

まず,事件事務を担当する部署ですが,検務部門の事件担当になります。

事件事務の職務内容については,検察庁のホームページ以下のように紹介されています。

 事件担当事務官は,警察等の捜査機関から送られてきた事件について,法律上定められた手続に従っているか事件記録を確認して受理手続を行うほか,検察官の捜査が終了した事件の処理手続(起訴・不起訴など)に関する事務を行います。

つまり,事件事務の仕事は,「事件の受理」と「事件の処理」と二つの手続きがあるということです。

このことから,事件事務は刑事事件の入口と出口と言われており,事件事務を経験することで検察庁内の刑事手続きの流れが把握し易くなります

そのため,若手検察事務官だと事件担当を希望する人が多いですね。

ちなみに,事件事務の仕事内容は,事件事務規定という法務省の訓令で定められています

では,実際に事件の受理手続と事件の処理手続について,それぞれ見ていきたいと思います。

事件の受理手続

事件の受理手続についての説明ですが,受理手続を行う場合がどういったものかや,受理手続で担当事務官がどのような仕事をしているのかを見ていきたいと思います。

受理手続を行う場合

事件の受理ですが,事件事務規定に規定された以下のような事由が生じた場合に行うこととされています。

  1. 司法警察員等から事件の送致又は送付を受けたとき
  2. 他の検察庁の検察官から事件の送致を受けたとき
  3. 少年法の規定により事件が検察官に送致されたとき
  4. 検察官が告訴,告発,自主又は請求を受けたとき
  5. 検察官が自ら犯罪を認知してその捜査に着手したとき
  6. 不起訴処分又は中止処分に付した事件を再起するとき
  7. 管轄違いの判決,控訴棄却の判決若しくは公訴棄却の決定が確定したとき
  8. 前に公訴の取消しをした事件につき更に公訴を提起しようとするとき

事件の受理は上記8つの事由に該当する場合は,必ず事件の受理手続をすることとなります。

ちなみに,①司法警察員等からの事件送致は,身体拘束のない在宅事件の場合,毎月〇日までと送付期限があるので,期限を過ぎてから翌月までは,身体拘束されている身柄事件のみ受理することになります。
※送致期限は検察庁によって異なる

では,次に,受理手続における事件担当の仕事を見てみたいと思います。

事件記録の確認

事件担当は,受領手続の際,事件記録の確認作業を行っています

具体的には,以下のようなことを確認しています。

  • 関係書類に不備はないか
  • 公訴事実の満了日が切迫していないか
  • 管轄はあるか
  • 被疑者が未成年の場合,刑事未成年ではないか,年齢切迫ではないか
  • 被疑者が少年の場合,罰金以下の刑に当たる罪ではないか
  • 親告罪の告訴はあるか

事件を受理する段階で,関係書類の不備を確認して適正な是正措置を講じたり捜査上の留意事項を確認して捜査部門に注意喚起するために,上記のような確認がなされます。

これらのチェックは,一人で確認すると確認漏れが発生する可能性があるため,二人体制で確認を行います。

なお,身柄事件の受理手続においては,さらに注意する点があります。

身柄事件の確認

身柄事件の受理手続の場合は,上記のチェック項目の他に,逮捕手続が適正かどうかもチェックしなければなりません。

具体的には以下の点をチェックします。

  • 逮捕状に裁判官の記名押印があるか
  • 逮捕状が有効期間内に執行されているか
  • 被疑者に対し,同一の犯罪事実又は現に捜査中である他の犯罪事実について,前に逮捕状の請求又はその発付があった場合は,逮捕状請求書にその旨の記載があるか
  • 逮捕手続書と逮捕状に執行者等の官職・氏名・押印があるか
  • 逮捕した者が司法巡査である場合は,司法警察員に引致する手続きがとられているか
  • 検察官への送致手続は,司法警察員が行っているか
  • 検察官への送致手続は,被疑者が身体を拘束されてから48時間以内に行われているか
  • 被疑者が外国人の場合は,領事館通報に関する手続が行われているか

身柄事件については,逮捕などの手続きに誤りがあると,不当勾留等の重大な結果を発生させる恐れがあるため,上記チェックで十分に確認する必要があります。

ちなみに,逮捕手続に誤りがあると,釈放しなければならないため,大慌てとなりますね。

では,次に,事件担当の事件記録の確認以外の仕事を見ていきたいと思います。

事件受理の管理

事件担当では,事件を受理したときに,「検察システム」というものに情報を入力し,「事件番号」を付します。

これらがどういうものかは実際に検察事務官にならないと分からないかと思いますが,要は事件は検察庁内部のシステムで管理していて,管理しやすいように事件ごとに番号を付しているということになります。

検察システムに登録されることで,捜査部の事件管理で担当検察官への配点を行ったり,担当検察官・立会事務官によって事件処理時の入力等が行えるようになります。

事件の受理手続については以上となりますので,次は事件の処理手続きについて見ていきたいと思います。

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事件の処理手続

事件担当の業務の内,処理手続について,事件の処理の説明から事件担当がどんな仕事をするかについて説明していきたいと思います。

事件の処理とは

まず,事件の処理についての説明しますが,以下のことを言います。

 検察官が被疑事件について必要な捜査を遂げ,当該被疑事件につき,訴訟条件の有無,犯罪の成否,犯罪の嫌疑の有無,刑の必要的免除事由の有無,訴追の必要性の有無について検討した上,訴追するか否かを決定する処分。

事件の処理には,「起訴」・「不起訴」・「家庭裁判所送致」の終局処分と,「中止」・「移送」の中間処分があります。

起訴:検察官が裁判所に対し,特定の刑事事件について審判を求める意思表示(公判請求,略式請求,三者即日処理)

不起訴:検察官が特定の事件について公訴を提起しない意思決定をし,これを外部的に明らかにすること

家裁送致:少年事件について捜査を遂げた結果を家庭裁判所に送致すること

中止:被疑者不明などにより,これ以上捜査を継続することができず,事件を長期間処理することができない場合に行う中間処分

移送:検察官が事件を終局処分する前に管轄権のある他の検察庁に送致する処分

※各事件処理の詳細については別の記事で紹介予定

では,これらの事件処理が行われる場合に,事件担当でどのようなことをするのか見ていきたいと思います。

事件記録の確認等

事件担当では,担当検察官が事件処理した事件記録等に誤りがないか確認します。

ちなみに,担当検察官・立会事務官が作成した事件記録等は,捜査部事件管理の下見担当で確認した後に事件担当に回付されます。
※身柄事件は令状担当で確認後に事件担当に回付
※令状担当については別の記事で紹介予定

事件記録等の確認後は,検察システムに処理情報を入力します。

確認と検察システムへの入力後は,事件記録等の送付・回付をしますが,送付・回付先は事件処理ごとに以下のようになります。

  • 公判請求
    起訴状・起訴状謄本・逮捕状・勾留状・弁護人選任書を裁判所に送付
    事件記録を公判部事件管理に回付
  • 略式請求
    起訴状・起訴状謄本・逮捕状・勾留状・弁護人選任書・提出記録を裁判所に送付
    不提出記録を記録担当に回付(※)
  • 不起訴
    事件記録を記録担当に回付(※)
  • 家庭裁判所送致
    事件記録を家庭裁判所に送付(※)
  • 中止
    事件記録を捜査部事件管理に回付
  • 移送
    事件記録を移送先の検察庁に送付(※)
    ※証拠品がある場合は証拠品担当に回付

事件記録等の回付・送付をもって,事件担当における事件処理の仕事は終了となります。

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おわりに

今回は,検務部門の内,事件担当の仕事について説明してきました。

事件担当は刑事手続きの入口と出口なので,事件担当の仕事を把握することにより刑事手続きのざっくりした流れについて理解してもらえたかなと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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